〜マンション高騰時代に考える、健康と住まい選びの新しいバランス〜
「最近、どうも疲れが取れない」「しっかり眠れていない気がする」……。 もしそんなお悩みをお持ちなら、それは体調や仕事のストレスだけでなく、「住んでいる家の広さ」や「通勤時間」が影響しているかもしれません。
2026年7月18日付の日本経済新聞(日経MJ)にて、住宅環境と健康リスクに関する調査結果が報じられました。
タイトルは『狭い家ほど不眠症リスク 95平米未満や通勤52分以上で4割高く』。
大阪公立大学の研究チームが東京23区に通勤する40〜50代を対象に行った調査によると、住居の広さが「95㎡未満」の人は、それ以上の広い家に住む人に比べて「不眠症のリスクが4割高い」ことが突き止められたのです。また、広さが95㎡あっても、通勤時間が往復52分を超えると不眠リスクが上昇することも判明しました。
■ 国の基準から「広さの目安」が消えた現実
「ファミリーで95㎡」と聞くと、現在の都市部の住宅事情からすれば「かなり広い家」という印象を受ける方が多いのではないでしょうか。
実は、国(国土交通省)が定めていた住生活基本計画でも、かつては「4人家族が都市部でゆとりをもって暮らせる誘導目標」として95㎡という基準が存在していました。
しかし、2026年3月の計画改定において、この広さの目安は削除されました(2026年6月20日日経新聞『消えた広さの国の目安』より)。
削除の理由は「現実と基準の乖離」です。 都心部のマンション価格は高騰を続けており、2025年度の首都圏新築マンション平均価格は9,383万円と過去最高を更新。価格を抑えるためにデベロッパーが面積を削った結果、新築マンションの1戸あたり平均床面積は年々減少(2024年度で77㎡)しており、今やファミリー向けでも40〜50㎡を標準とするような物件まで登場しています。
国も「現実的に95㎡など手に入らないのだから、狭くても工夫して暮らせばいい」「市場の需給に任せる」と現実路線へ舵を切ったわけです。
■ 価格高騰のしわ寄せが「睡眠障害」として住人に跳ね返る
しかし、国が基準を消し、建築やリノベーションの工夫で「狭くても快適」と打ち出したところで、「狭い家や長い通勤時間が人間の睡眠や健康を害する」という医学的な事実まで消えるわけではありません。
都心部で手の届く予算に収めようとすれば、どうしても「間取りを狭くする」か「郊外に引っ張って通勤時間を長くする」という二者択一を迫られます。
しかし今回の研究データが示しているのは、まさにそのどちらを選んでも不眠症リスク(健康リスク)を高めてしまうという厳しい現実です。
住宅ローンや家賃を抑えるために狭い家を選んだ結果、不眠によって日中のパフォーマンスが落ちたり、健康を損なったりしては、本末転倒と言わざるを得ません。
■ 「予算」「広さ」「立地」のバランスをどう取るべきか?
マンション価格の高騰が止まらない今、ただ「広い家が欲しい」「都心がいい」と希望を詰め込めば、予算を大きくオーバーしてしまいます。一方で、価格だけを理由に極端に狭い物件や遠方の物件に飛びつくと、毎日の睡眠や健康が脅かされることになります。
これからの時代に求められるのは、単なる「物件価格」や「坪単価」の比較だけではありません。
- 自分たちのライフスタイルにおいて、譲れない「快適な広さ」はどれくらいか?
- 睡眠環境(遮音性・部屋数・レイアウト)を確保できる間取りか?
- 将来的な資産価値を維持しつつ、無理のない資金計画(ローン負担)になっているか?
このように、健康面・住み心地・資産価値の3つのバランスを客観的に見極めることが重要です。
■ お気軽にご相談ください
「提示されている間取りで、家族が快適に暮らせるだろうか?」 「予算内で広さと立地のバランスが取れた、資産価値の落ちにくい中古マンションはないか?」
住まい選びや買い替えでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
私は不動産売買のプロであると同時に、「宅建士」および「管理業務主任者」の資格を持つ専門家として、単なる物件の紹介にとどまらず、お客様の健康的な暮らしと将来の資産防衛を見据えた客観的なアドバイスをさせていただきます。



